澪に通話をかけて、5コール。
つながった瞬間に、俺の顔の横にスマホを置いて俺に跨ってくる。


「は?」
「……瀬那はこの子とシたことあるの?
この子の方が上手だった?
そんなことないよね?
私との方が好きだよね?」
「いやいやいや、ちょっ、待て!」


どうやら、通話繋いでシてやろうっていう魂胆らしい。
そんなもの垂れ流しにしたら企画じゃなくたって問題だ。
そもそもヤってないし。瑠南以外とシた覚えないし。
つか生まれてこの方、お前のことしか見てないのに今更他のとこ行けるかっての……。


「ごめんごめんごめんっ、やめろ、ドッキリだから、全部嘘」
「……そういうのいいよ」


嘘なんかつかなくていいんだよ、と俺の両手をホールドするとキスしようとしてくる。
こういう時の力だけはどこから湧くのか。
俺はそれを全力で拒否。


「マジだから、澪って女じゃねぇ、男。
ほんとダメ、この部屋カメラだらけだから」
「……なんなの?そんなに私じゃダメなの?」