◇ ◇ ◇


「寝ちゃってごめんなさい〜……」


配信が終わって、メイク落として流れるように倒れた瑠南をベッドに運んで次の日。
ようやく起きた瑠南は、すごく泣きそうな顔でリビングに揃う俺たちに頭を下げた。


「いいよ、いいよ。仕事任せすぎてた俺らも悪いし、面倒見きれなかった瀬那が1番悪いから」


責任転嫁も甚だしいが、琉星は笑ってそういうと瑠南の頭を撫でる。


「よくがんばりました。記憶ないかもだけどちゃんと大成功だったよ?」
「ほんと?ならよかった」
「うん」


2人は残りの俺たちがついているテーブルにいつも通りの席取りで座る。
なんとなく。


「ひと段落、ついたねとりあえず」


みんなに笑いかけるリーダー。


「うん」


誰が頷いたかはわからない。
俺だったかもしれないし、俺じゃなかったかもしれない。もしかしたら、全員だったかも。


「これからも頑張ろうね」
「……うん」


でも少なくとも。


「じゃあここで一つだけ」


「来年の2周年記念はキャパ1万のライブ会場で頑張ることになりました」
「……は?」


ここのタイミングは、琉星以外の全員の声が聞こえた気がする。


── ─Fin