『瑠南ちゃんって、歌下手なんですね』
『瑠南ちゃんも歌頑張って!』



『瑠南ちゃん、1人だけ声浮いてるね』


デビューした当時、今よりもっともっと歌が下手で、twilightの歌唱力を私一人で底下げするレベルだった。


その上、作らなくてもこの喉から発せられる声は高くて細くてアニメみたいな。
悪く言えば、頭に響くキンキンした声。
twilightで一際目立つ音痴で変な声の女。
最初の私はこれだった。


当時のファンの方に言われたことを思い出しては未だに落ち込むし、ボイトレ重ねたとはいえ、結構……不安なところも多い。
どれだけボイトレしたところで声は変わらないし、変声期なんかないし。
声の振り幅は増えてちょっとレパートリーが増えたりもしたけど……それでずっと歌えるわけじゃないし。


普段なら。
みんなも私のことを気にして、録音パートを増やしてくれたりしちゃって。
でも今回はそれを自分で断った。ちゃんと歌うよって言った。