俺はさっきポケットに入れたばかりのスマホを取り出して、瑠南に渡して、隣の席に座る。


「この子とお仕事する気あるの?」
「別に。界隈違うから仲良くする理由ないかなって」
「……ふぅん」


椅子の上で三角座りしながらくるくる回る瑠南。
拗ねた顔して、俺のスマホと睨めっこする。


俺がパソコンの電源ボタンを押すと、ピクッと瑠南の肩が揺れた。


「……電話、かかってきたんだけど」
「は?」
「女の子から電話ですよ?モテモテ瀬那さん?」


とか言いつつ、渡す気はないらしい。
切れ待ち。そして電話は着拒否。


「なつめちゃん本当きつい。なんなのこの子?」


したら次はLINEで電話かかってきて。


瑠南はため息をついて鳴りっぱなしのスマホを俺に押し戻すと、ヘッドホンをつけてパソコンに向かい始めた。