そっか、と半笑いで、快斗たちの方に視線をやる。


俺も3人の方を向くと、深優は快斗の鼻にスマホを突きつけていた。
いつのまに奪い返したんだろう。


「何昼間っからエロい話してんの!?
他の女とそういうことしないでって、深優言ったよね?」
「ごめんって。向こうから……」
「深優、快斗のそういうルーズなとこ嫌い!」


深優はベシッと快斗の手にスマホを叩きつけて、部屋からさっていった。


快斗はその場に蹲み込んで頭を抱える。


「また深優にキレられた……」
「うん、見てたよ」


優しい瑠南は快斗の頭を撫でる。
昨日染め直したピンクの毛先はあっちこっち向いている。
気の抜けた部屋着に、黒縁メガネ。快斗に勧められたとかいう着圧ソックスを履いて、Tシャツの襟から見える肩の湿布。
オフをいいことに体のケアの日らしい。


「……瑠南、慰めて」
「もう慰めてるつもりなんだけど」
「萌え声妹キャラを要請します」