twilight sinfonia

「今の快斗にはその覚悟がないから、嫌なの」
「……話が飛躍してるけど」


うーん、と深優は唸る。


「深優さ、その……お金持ちじゃん」
「うん」
「婚約者がね、いたんだよ。
相手は蒔唯くん」
「は?」
「そう、お母さんたちが仲良くて。
家のために結婚して、後を継いで。お父さんはそういう考えの人だったから。


でもさ、深優は昔っからアイドルになるから家は絶対継ぎませんって言ってたのね。
挙げ句、最近になって、お父さんには内緒でユニット組んでオーディション受けて、事務所に入って。
テレビにも出るようになった。


お父さんからしたらなんて言う娘なんだって話だよね。でも、お父さんは優しくて、可愛い私のことを許してくれるの。
結局婚約も解消になったし。
まぁ、同じタイミングで蒔唯もオーディション受けてたわけだからそもそもの話無理なんだけど。


でも快斗は、いつまで経っても私と蒔唯が婚約してるもんだと思い込んでる」