「俺やっぱ、お前いないと無理なんかも」


瀬那は関西なまりの擦れた言葉を落として、先に寝落ちていった。
その後からは何も言ってくれなくて。


ずるいなって思っちゃう私がいる反面、それに流されちゃうのもやっぱり私だった。


瀬那の長い睫毛が揺れる。


今日くらいはいいんじゃないかって錯覚する。
誰もみてないし、ここにいるのは私と瀬那だけ。
瀬那も寝ていて、今からする私の行動は、全部私だけの記憶になるから。


瀬名のシャツをギュッと掴む。
私は足元に力を入れて伸びると、瀬那の唇に、私の唇を押し当てた。