「足だけ若干太ったのなんなん?」
「……誰に言ってるの?」
「瑠南しかいなくね?」
「どこ見てんの?」
「太もも」
「キモい」


瀬那はとっととお風呂の方へ戻っていく。


太もも太ったかなぁ……。
いや、これでも細い方なんだけど。
モデルのあすかより足細いから多分めっちゃ細い。
瀬那が言ってるのはなんで筋肉じゃなくて肉なんだって話だと思うんだよね。わかるよ。
しゃーない、筋肉つかないんだ。


戻ってきた瀬那はなんの躊躇いもなくベッドに座ったから、私は瀬那のスマホを持って瀬那の隣に座る。


「SNS動かさなきゃ」
「あー……ダルい。瑠南やっといて」


瀬那は指紋認証を解除して私にスマホを押し返す。
そのままパタンとベッドに倒れて目を瞑った。


……そうくると思ってたよ。
知ってた。


私はカメラを起動して、うたた寝してる瀬那にまたがって寝顔写真を撮る。