「また痩せた?」


部屋に戻ってきた私にソファに座ってくつろぐ瀬那が呟く。


「足の話?腕の話?」
「全部。寝不足で栄養吸収できてねえんじゃねーの?」
「そんなことないと思うよ?体重は……測ってないけど」
「乗らなくてもわかる。絶対痩せてる」


今日抱き上げたときに確信した、とスマホをテーブルに置いてお風呂に消えていく瀬那。


抱き上げたとき、っていうのはその。
何せ今日は地方の観光地ロケだったから。
海に行ったわけで。


ちょっと痩せすぎで閲覧注意な私は事務所に水着は無理に切る必要はないって言われているから、Tシャツ短パンで入ったんだけど。


体重なさすぎて踏ん張れずに、普通に波に煽られて流された私を、瀬那が抱き上げて海岸まで担いでくれた。
いや、流されると思ってなかったんだよね、そこまで踏ん張れないと思ってなかったの。
私は悪くない……体重がんばろ。