「最高音どこまでならセーフ?」
「私のボイトレ極める方向ならそれの4つ上ならいいけど……。深優のボーカルメインなら2つくらいで抑えたほうがいいんじゃない?」


右手でピアノで言ってる音をバシバシ叩きながら左手で昨日見てた楽譜を暗譜したのか弾いている。
……ちょっと気持ち悪い。
なんでメロディを左手で弾くかな。
めっちゃ手近いし。


「瑠南なんで左手でメロディ弾いてんの?」
「ん?右手で最高音探ししてる」


一応、瑠南なりに効率の良い方法らしい。
よくやってる。
これするために左手でメロディ弾く練習してたし。


「あー、うん。深優立てるなら限界2つ。
オススメは1つ」
「了解」
「その会話俺にはよくわかんない」
「琉星もピアノしてたでしょ?」
「俺瑠南ほどちゃんと音感あるわけじゃないからなぁ」


音楽室で堂々と弁当を食べてる琉星。


それを横目に俺は音を当てていく。
今回詞だけ先に出来上がってしまって、いつも同時進行の俺としては、難易度がバカみたいに上がってる。