遠くで大絶叫が聞こえる。
深優の、可愛い声……。
起きなきゃ、深優が……。


もぞりと、無理やり起き上がる。
寝返りを打って……ん?


……どすっ



「……い、たぁ」


ソファだったの忘れてた、やばい。
左腕痛い……。


「大丈夫か?」
「……い、たい」


痛い、痛い。これは普通に痛い。
めっちゃ目覚めたよ。


「気つけろよな」


ふわりと、体が浮く感覚。
気づいたらソファに座らせられていて、目の前には……ぼんやり瀬那。


ピタッと、おでこに冷たい感覚。瀬那の手の甲。
いつものことながら、手がおっきい。


「別に熱あるわけじゃねーし……ただ寝ぼけただけかよ。心配させんなって」


気怠げに、立ち上がって私から離れていく。


……普通に、触られた、よね?
我慢とかして無い、でしょ。
わかんないですさなちゃん。


私にはあなたの言葉の意味が汲み取り切れないですさなちゃん。


「瑠南ぁっ、夜練するんだってっ、かまってっ」
「あ……うん、かまう」


とにかく私は深優をかまいます。