「……ふわぁ」


起きてから1時間。未だ自室から出れず。
単に寝起きが悪いだけ。
こっちに来てからはたいてい瑠南の方が俺を起こしに来てくれるんだけど、今日は朝から走りに行くらしくてまだ帰ってきてないらしい。


……まぁ、でも。


『……好き』


どんな顔して瑠南のこと見ればいいか、わかんない……ところはある。
今はまだ、瑠南と顔合わすのきついかもしれない。


ほんと、しょーもない男なんだよ、俺。
好きでいてくれてんのに、ほんと、なんもできてなくてごめん。
好きだよ、好きなんだけど……もうちょっと待って、俺のケジメ、だから。自己満でしかないんだけど。


───コンコンコン


「瀬那ー、朝だけど起きてるー?」


瑠南だった。
いつもより荒々しいノック。
帰ってきてすぐで疲れてるのかも。