「……お前、元からそれが目的だろ」
「だって今日なんか、体怠くてさ。して?」


誘ってんかお前。……違うよな、知ってる。


「わかった」


くそ、ほんと。
頭いいってわりとずるいステータスだよな。
運動神経よくたって、教えてあげるよ、なんてことにあんまならなくない?
頭いいのは落としに行くためのステータスとして使いやすくてなんか腹立つ。


そんなこんな、勉強苦手な俺は瑠南に手取り足取りされながら、夜中の1時までたらたら勉強して、瑠南がソファに寝っ転がった時には半分以上意識を失っていた。


「大丈夫か?」
「ん〜……」


眠たそうな声を出して、目を瞑っている。
マッサージしたら絶対寝落ちるんだろうなってわかってるけど、やらないわけにもいかないから。
瑠南の背中に手をやる。


「痛かったら言えよ」
「んー……」


結果、十数分経って。


「……好き」


これだけぽろっとこぼして瑠南は寝た。