家の前まで送ってくれた瀬那を振り返って。


……いつもイケメンだな、ほんと。
優しいし、もう。私のことを取りつなぐのが上手すぎる。


「瀬那、明日荷物運ぶからお母さんに送ってもらうんだけど。
乗ってく?」


瀬那は少し悩んだ顔をする。
そんな悩むこともない。
いつも返事はイエスしかないもん。


「あー、うん。頼むわ」


ほらね。


「ん、りょーかい。じゃあ、また明日」


そう言って私は瀬那に手を振って家の中に入った。


玄関。
お母さんの靴と、璃叶の靴は……これは今日履いた靴なのかな?
どうなんだろう。
それと、誰のか分からない、璃叶のより少し大きめの靴。


靴を脱いで靴箱にしまう。
璃叶の靴が並ぶところに空いている隙間は1ヶ所。
ここに置いている靴の分だけ。
どうやら璃叶は帰ってるらしい。


私は璃叶の靴も靴箱に入れて、家に入る。
ちらり、と覗いたリビングには璃叶と。