twilight sinfonia

琉星の隣に座って、ハモりのデータを加工していく。


えー、いつも思うけどこの作業しんどい。


「瑠南、琉星。飲み物は?」
「……はぁ」


そんな瀬那の声も作業に集中しすぎて全く聞こえてなくて、ため息だけが口からこぼれ落ちる。


「おい、瑠南」
「ひゃっ、なっ、何!?」


いきなり首筋を触られて、女子みたいな声が出てしまう。
……いや、女子なんだけども。
私はヘッドフォンを下ろし、振り向く。


「飲み物。なんかいらねーの?」
「あぁ……、瀬那チョイスでいいよ」
「……そ。じゃあ、コーヒーでも」
「それはやだ。緑茶で」
「最初っからそう言えよ」


瀬那は笑って部屋から出ていく。


コーヒーが苦手な私としては、コーヒーを飲む瀬那は天敵なのだ。
初めて瀬那の家に上がった時になんのためらいもなくコーヒー出された時は泣くかと思った。