「……ん、いいんじゃね。サビ前だけ歌い直して」
「おっ、今日は調子良すぎじゃん?」


取り直しを数回で終えた深優は嬉しそうに部屋を出て琉星とバトンタッチする。


そんな流れを繰り返しているうちに、気づいたら快斗が帰ってきていて、深優と2人でソファに座ってイチャイチャしていた。
何やってんだこいつら。
琉星は嬉しそうに写真撮ってるし。


いやもう、後5分くらいほっといたらキスするんじゃないかってくらいの密着。
あれ、付き合ってないはずなんだけどな。


「……快斗、次お前だから」


そんないい雰囲気の2人に遠慮もせず声をかけるヘッドフォンを首にかけた瀬那。


「おわっ、……見てた?」
「遠慮もなしにぬけぬけとよくそんなことできるねぇ」


琉星は苦笑いを浮かべつつスマホをポケットに入れる。


「うわぁ……だって深優可愛いんだもん」
「ちょっ、快斗ぉっ!?何言ってんの!?
えっ、イチャイチャなんかしてるつもりないもんっ」