「戻ったよ〜」


レッスンルームから、深優の声が聞こえた。どうやら帰ってきたらしい。


「あれ、瀬那ちん寝てんじゃん。起きなよ〜。
それとも、瑠南が起こさなきゃ起きないの〜？」
「……起きるし。深優、鬱陶しい」
「んなっ、親切してあげてるのに〜」


レコーディングルームから顔を出すと、ぷくーっと顔を膨らませた深優がいた。
思わずスマホを出して写真を撮る。


かわいい……っ！
あぁ……どうしよ……好き。


「あっ、瑠南、今撮ったでしょーっ、もおおっ」


なんでこんなにかわいいんだろ。
もーすき。


深優愛が止まらず思わず連写してしまう私。
それを後ろから出てきた琉星は苦笑いで見ているんだろう、知ってる。


「そういえば、快斗は？」
「快斗ね、ファンに囲まれたから私だけ走って逃げてきたんだ〜」