いつもはしっかりしている瑠南も寝ている時は幼い顔で、唇の隙間から息をする瑠南。間抜けな顔。
最近はまだマシ、と言い張っているけどいつもとかわんない。


「……り、と」


掠れた高い声。ロリボに近い、声優系の。
スッと、手が伸びる。よく見ると薄らに目が開いてる。明らかに俺と璃叶を見間違えてる。
サイズ感の違いは感じないのか?


「起きた?」
「んー……璃叶、メガネ……」


いつもはコンタクトの瑠南も流石に朝一裸眼は何も見えないらしい。本当に目が悪い。


ピクリとも動かない璃叶の代わりに机の上に置いてあるメガネを取って手渡す。


「……ありがとー」



ぼんやりした顔でメガネをかけると伸びをしてようやく俺のことを見た。


「……ん?瀬那じゃん」
「起きなかったお前が悪いから」


すごく嫌そうな顔。
寝起きの顔の薄さと言ったらない。
いや、別に、ブスとかそう言うんじゃなくて、単に血が回ってなくて顔も唇も真っ白って、そう言うこと。