「快斗さ」
「ん?」
「なんで深優好きなん?」


気の抜けた関西弁でそんなことを聞き出す俺に、なんだと言わんばかりに集まる視線。
俺の左隣から琉星、輝星、快斗。


輝星の後ろにあるベッドには、お嬢2人が既に就寝中。


別に、何か思ったからこんなことを聞いたわけじゃない。
ただなんとなく、聞く気になっただけ。
普段なら快斗の惚気とかそんなに興味ない。


「いや……なんでだろ。自分に正直で、真っ直ぐで、やるって決めたら貫き通せる強さ、とかそういうの持ってるから……かっこいいなって」


思って以上にすんなり、かつ真面目に答えが返ってくる。


まぁ確かに。
見た目によらずしっかりしている深優。
いっつも深優の周りをフラフラしてるだけの快斗とは、真逆の性格で。


「だから、好きなん?」
「多分。人間、自分が持ってないもの持ってる人に好かれたりしない?」