体幹強いくせに靴履くの下手。
重心がぐらついて、ふらーっとこっちに倒れてくる。


ぽすっと俺に受け止められる瑠南。
顔が、近い。
今日のメイクはラベンダー系、いつもとイメージが違って大人っぽい。


「バランスな」
「この靴履くの難しいんだよ」


靴が悪い、と言いながら俺から離れてしゃがみ込む瑠南。


一方俺は。
……心臓が潰されそう。
急なタイミングの密着ってめちゃくちゃビビるんだけど。
やばい、やばいやばい、ピュアか。
あれ、俺こんなにウブだっけ?


「じゃん、背高いでしょ。
いつもの厚底より2センチ高いんだよね」


嬉しそうに笑う瑠南。
多分俺の家には俺のより瑠南の靴の方が多い気がした。


「そんな変わんなくない?」
「怒るよ」