「ちょっ……っ!!
近いって!!」

叩かれた方の頬に手を当てられ、また心配の色が見える瞳でわたしを捕らえていた。

反動で座っていた椅子がガタッと揺れる。



「しょうがないだろ?
対面に座ってんだから」


「うっ……!」


そうなのだ。

椅子に座るわたしの正面に、机を1個挟んだ状態で座る成宮。


まあ、簡単に言えばクラスで自分の前の席の人が自分の方に体を向けて話してる、みたいな。

どうやら今日はこのまま特訓をやるらしいんだけど……


さっきから膝がぶつかってるんですけど!!


ただでさえ、身長が高い上に、イラッとするほどのスタイルの良さ。

その分、手足も長いわけで。


机の下で、わたしの膝と成宮の足がこんにちはしちゃってる。