学校に着き、上履きに履き替えて教室へと向かう途中。 「片瀬ー」 この声は…… 思った通り、呼ばれた方へ振り向くと、 「げっ……」 まだホームルームもしていないのに、また会うなんて。 「そんなあからさまに嫌そうな顔すんなって」 「先生、今日は音楽聞いてませんよ?」 訝しげな顔で問いかけると、苦笑いでわたしの前に立つ担任。 「あー、違う違う。 この間の、空き教室の件だよ」 ―――ドキッ 心臓が跳ね上がった。