私から連絡先を聞いた洋季さんが、翔さんに電話をかけて、脅しをかけた。


けれど、翔さんに脅しは通用しなくて。


洋季さんへの怒りをあらわにしていた。


洋季さんのスマホ越しで聞こえる、翔さんの声に安心した私は、力を振りしぼって、声を出した。


『た……け、て……し……さ、ん……』


『愛海⁉︎


愛海なのか⁉︎』


翔さんは、すぐに気づいてくれた。


でも、洋季さんには『声を出すな』と叱られて、髪をわし掴みされた。


痛いけど、体に電気が走るあの感覚よりは、まだ耐えられる痛さ。