イケナイ王子様

自分が今、なにをされてるのかはまったくわからない。


近くに誰がいるのかもわからない。


けれど、落ち着く。


どう落ち着くのかを、具体的に説明するのは難しい。


とにかく落ち着くのだ。


「な、なに?」


この声……誰だろう?


なんだか焦ってるような……。


「……こいつ、階段で泥酔して寝てた。


俺、こいつを連れて帰るから」


「な……っ」


いったい、なにが起きてるの……?


誰か、教えて……。


そう言うひまを与えてくれる人がいないのか、ザワザワと騒ぐ声が聞こえる。


あぁ、誰も教えてくれないんだ……。


心の中でそうつぶやいたと同時に、私は深い眠りについた。


誰になにをされてるのか、わからないまま。