イケナイ王子様

まぁ、はじめて入ったお店に、文句は言えないけれど。


「愛海ちゃんはなににする?」


しまった。


パスタの種類が多いことに気を取られて、自分が食べたいものを全然決めてなかった。


うーん、どうしよう……。


迷いに迷ったあげく、こう答えた。


「うーん……私はジェノベーゼのパスタにします」


「OK、わかった」


OKサインを作り、洋季さんが、テーブルの左側にあるタブレットを手に取った。


って、タブレット?


なんでタブレットを持ったんだろう。


頭上にたくさんの疑問符を浮かべる私をスルーして、洋季さんはタブレットを操作する。


「あっ、ドリンクバーも頼む?」


「は、はい。


お願いします……」


「OK」


びっくりした……。


洋季さん、急にこっちを向いたと思ったら、そんなことを聞いてくるなんて。