「白鳥さんはもう課題終わったんですか...?」

向かいにいる白鳥さんは、さっきまで出していたテキストやノートをもうしまっている。

「そうですね。
今回は復習だけなので。」

「その復習が難しいんですよ...。
数式とかグラフとか...見ただけでもうやる気が...。」

「普通科はやることが多いですからね。
苦手だと大変ですよね。」

「キャパオーバーです...。」

とはいえ、絶対理数科のほうが専門的だし大変だ。

そんななか...。

「問題、見てもいいですか?」

「あ、はい。
どうぞ。」

白鳥さんにプリントの問題を見せた。

そういえば...。

白鳥さん、眼鏡してないな...。

私が前言ったこと、覚えていてくれたのかな...。

まあ、たまたまするの忘れただけかもしれないけど。

白鳥さんがパッと顔を上げたので、とっさに目を逸らしてしまった。

なんなんだろう、この感じ...。

なんか恥ずかしいな...。

「...この公式なんだか懐かしいですね。
やはり多少難易度は変わってきますが、基本的なことはこちらと変わらないみたいです。」

「そうなんですか?」

「はい。
僕でよければアドバイスさせてください。」