駅の裏手の方に回ってきた。

どちらかといえば、やっぱり表口のほうが店とか沢山あるんだけど。

「先輩、どこに行くんですか?」

「こっち側のほうが、結野が好きそうな場所が多いかなと思って。
来たことなかったっけ。」

「ないです。
駅前はあまり寄らないんで。」

「ふーん。」

先輩は無計画という割にはスタスタと歩いていく。

そして、あるショップに立ち寄った。

ここって、私が好きなブランドのアクセサリーショップだ...。

近くにショップができてたなんて知らなかったな。

でも、ここのアクセサリーは女子高生のお財布にはそこそこ厳しいのも現実...。

「何か買ってあげてもいいけど。」

「え、良いんですか?」

「うん。」

でも...、お言葉に甘えるとしても...、

私が前から欲しいなって思ってるのは、
流石に先輩でもキツいんじゃ...。

せめて、その下位互換(?)ぐらいにしたほうがいいよね...?

「じゃあ、これ、とか...。」

本当はネックレスが欲しいけど、イヤリングも可愛いから、これでいいかな。

「いいよ。」

先輩は嫌な顔ひとつせず買ってくれた。

やっぱり先輩こういうところは優しくて素敵だなぁ…。