「ただいま。」

自分でも尋常じゃないくらいの低い声でそう言ったので、弟2人は、

「お、かえり...。」

と、微妙な声で応えた。

キッチンに目をやると、最近一緒に暮らし始めた優奈さんが料理を作っている。

「あ、結野ちゃん、おかえりなさい。
今ご飯できるから待っててね。」

「うん...。」

やっとそう返事をすると、部屋に駆け込んだ。

そして、

「先輩の、ばか!」

持っていた手提げ鞄が、滑り落ちる。

頭を抱えて座り込んだ。

どうして...。

「なんでなの...?」

...。

今までで1番最悪の喧嘩だった。

頭がもうぐちゃぐちゃで、吐きそう。

どうしてこんなことに...。