「だから、好きなんだと思う」 藍色に染まった空に散りばめられた星がピカピカと輝く。 そろそろ大地だって帰ってくるし、こんな家の前でなんて、誰に見られるかもわからない。 ……それなのに。 伊月があまりに優しく唇を重ねるから、拒もうとも思えなかった。 触れてくる手から感じる想いは、本物だろうか。 その答えを私が知るのは、もう少しあとのこととなる。