ガガガ……と、工具でインターホンを取りつける音が家の中まで響く中、大地と情報バラエティーを眺める。
工事の人が外にいるのに夕飯を食べるのも申し訳ない気がして、ちゃぶ台の上には数日前に伊月が持ってきてくれたクッキーと緑茶が並んでいた。
それをふたりでつまむ。
夕飯はもう下ごしらえしてあるし、工事の人が帰ったらすぐ作り出せば十分もしないで出来上がるかな……と思いながらお茶を飲む。
「あの子、やっぱり大地が好きなんだね」
視線はテレビに固定したまま話しかけると、大地もこちらは見ずに答える。
玄関前でのやりとりだったし、私に聞こえているかもしれないっていう頭もあったんだろう。
あの女の子のことを話題に出しても、大地は驚いた様子は見せなかった。
「だろうな。昨日、告白されたし」
「えっ」
「断ったけど」
驚いて振り向いたけれど、大地は平然とした顔でテレビを眺めていた。
こういうことは、家族があまり騒いでもうっとうしいだろうな、と思い、「そうなんだ」とだけ返してお茶を飲んでいると「ストーカーの話」と大地がぽつりと呟く。
「うん?」
「やっぱり嘘だったんだろうな。本当にストーカーされて怖かったなら、姉ちゃんのことを自意識過剰なんて言わないだろ」
そういえば、大地はその辺の会話から女の子に冷たい言葉を返し始めていたっけ……と思いだしながら、「どうだろ」と少し笑う。
「あれは、やきもちから出ちゃった言葉かなとも思うけど。だから、大地も本当に大事な子ができたら、その子を優先してあげてね。家族のことを一番に心配してくれるのは私は嬉しいけど、やっぱり、ずっとそれだと恋人ができたとき、相手の子は苦しくなっちゃうかもしれないし」
コップをいじりながら「だから」と続ける。



