よくよく考えてみれば、昨日の今日で工事してもらえるなんておかしい。ドアホンの業者とは会社同士で少し取引があるらしいから、そのパイプを使ったのかもしれない。
おばあちゃんは、今夜は地区の老人会の食事会でさっき出かけて行ったから、私が対応することになる。
ドアホンなんて取り付けるのは初めてだけど……まぁ、誰かしらが家にいてくれれば大丈夫って話だったし、文字通り居ればいいだけなんだろう。
とりあえず、日は落ちているとはいえ暑いなかの作業になるし、飲み物くらい出さなくちゃと戸棚からコップを取り出しておく。
それから、玄関先が綺麗だったかを確認しにいこうとした時。
『なんで? 今日は部活途中であがるっていうから、一緒に遊んでくれるんだと思ったのに。せめて部屋にくらいあげてくれてもいいじゃん』
玄関の引き戸の向こうから声が聞こえてきた。
女の子の声に、引き戸を開けようとしていた手が思わず止まる。〝部活〟という単語から、大地も一緒かな?と考えていると、予想通り大地の声が聞こえた。
『部屋にはあげない。最初から遊ばないって言ってるのに勝手についてきたのはそっちだろ』
『っていうかおかしくない? 私がいくら遊ぼって誘っても部活休んでくれないのに、家の事情で休むって。なんで私のこと優先させてくれないの?』
女の子の主張から、彼女なのかなと思う。だいぶ機嫌を損ねてしまっているみたいだけど大丈夫だろうか……。
声の感じから、もしかしたらこの間見かけた子かもしれない。



