けど、花平くんも不良たちも何一つ笑っていなかった。


相手にいたってはぐっと眉を寄せて花平くんを睨みつけている。


「よお花平ぁ。こんなとこでのんきに女と散歩かぁ?」

「は、お前らは仲良くピクニックでもしてんのか?楽しそうじゃねーか」



な、なんという煽り文句!

ぎょっとして隣の花平くんを見上げる。



余裕綽々の花平くんとは逆に、不良たちは怒りで顔を真っ赤にして吠えた。



「今日こそ潰してやらァ!!」

「来いよ。全員相手してやる」


「舐めた口きいてんじゃねぇっ!!」


そして集団で飛びかかってきている不良たちに不敵な笑みを浮かべた花平くん。


「おいこれ持ってろ」

「えっあっはい」



押しつけられたスーパーの袋を抱えたと同時に、花平くんの拳が飛んだ。