「ああ、そこにあったのか」


怠そうにベッドから降りてリモコンのスイッチを押しにいく花平くん。


ただ単にリモコンの場所がわからなかっただけだった。


裏切りだ、なんて思いながらぼんやり見届けていると、暖房を付けたはずの花平くんがまたベッドの中に戻ってきたから。



「え、なに、何してるんですか」

「暖房がすぐにきくわけねーだろ?」


いやいや。そんな、当たり前のようなことを聞くなみたいに言われても。


そもそも人を湯たんぽ代わりにしないでほしい。


抱き枕のようにされてるけど、頭の分は空けてくれていたから息苦しくはなかった。



「うつっても責任取りませんからね」

「責任なんか取らなくていい」