「茅森ちゃんはこれからどうするの?つーか蘆田は?」

「すうちゃんはミスコンに強制参加中だよ」


たぶんまだ終わっていないだろうし、どうしようかとあごに手を当てる。



「……いま、すごく会いたい人がいる」


どこにいるか全く分からないけど、学校にすらいないかもだけど。

無性に会いたくなった。



「そっか。……俺と花平、同じ中学って言ったよな?」

「へ?う、うん」


私、花平くんって言ったっけ。


いきなりの固有名詞にびっくりしたけど、周くんの次の発言にはもっとびっくりした。




「俺とあいつ、友だちだったんだよ」


「……、えっ!?」

「わはは、今日イチ驚いてる」


「と、友だちって」


花平くんと周くんが一緒にいる姿、ましてや笑いあっている姿なんて想像すらできなくて。


だって会うたびあんなにピリピリしていたのに。

それに……



『誰ともつるむ気ねーから』

いつかの帰り道で吐き捨てるように言ったこと。


もちろんその言葉を鵜呑みにしたわけじゃなかったけど、そのときの印象が強く、どこか引っかかっていたから。