むかしむかし、ある国にお姫様が生まれ、雪のように白い肌から「白雪姫」と呼ばれていました。
白雪姫はとても美しく、歌うことが大好きでした。
白雪姫には継母の王妃がいましたが、この継母がなんとわがままなこと。
この世でいちばん美しいのは自分だと信じており、若くて美しい白雪姫をひどく嫌っていました。
しかし白雪姫はけっして人をうらんだり、うたがったりすることのない、優しい心を持った美しい娘に育っていきました。
それだけではありません。
なんと、継母の正体は魔女だったのです。
魔女は毎朝、魔法の鏡に「世界で一番美しいのはだれ?」と聞くのが習慣で、
鏡の「それは王妃さまです」という答えに満足しながら暮らしていました。
ところがある日、魔女がいつものように「世界で一番美しいのはだれ?」と聞くと鏡はこう答えました。
────それは白雪姫です、と。



