不器用オオカミとひみつの同居生活。



サイズ確認のために衣装係の前で何度か着たことはあったけど、みんなにお披露目するのは今日が初めてで。


家に持ち帰ってまで衣装を製作してくれた衣装係の人たちは、目に涙を浮かべて手を取り合っていた。



白雪姫のドレスといえば、青色のトップスに黄色のスカートを思い浮かべる人がほとんどだと思う。


でも、



「やっぱり白が似合うと思ったの……!」

「この色にしてよかったね!」


なんて彼女たちの言うとおり、私が着ているのは真っ白なドレスだった。


オフショルダーで胸もとには控えめなフリルが付いている。


耳にはりんごの耳飾り、頭には赤いリボンの代わりに白いティアラがちょこんと乗っていて。



「ウェディングドレスみたいですごく可愛い。ありがとう」

「こちらこそ茅森さんに着てもらえて本当によかった。またあとで写真撮らせて!」


もちろんと笑顔でうなずいたとき、「あ、でもね」と衣装係のひとりにこそっと耳打ちをされた。



「デコルテのとこ開けてるから、おっぱいこぼれないように気をつけてね。カヤちゃん大きいし」

「き、気をつけます……」


大きく開いた胸もとを手で隠しながら苦笑する。