ほんとにお礼しないと罰が当たりそうなくらい優しくしてもらってる。
そういえば周くんの好きな物って何だったんだろう、聞き逃しちゃった。
「……あれ?」
ふと頭の中でかたちをつくった疑問に足を止めた次の瞬間だった。
誰かに右腕を引かれ、そのままもたれ掛かるような形になってしまった。
「わっ、は、花平くん……!?」
見上げると思いのほか近くに顔があり、心臓がどきっと跳ね上がる。
周くんも花平くんに気付いて、一瞬表情を固くしたあと歩を止めた。
いつかのときみたいな空気が流れる。
私はそんな2人の間に挟まれてヒヤヒヤしていた。
な、何か言ったほうがいい……?
いや、でもこの雰囲気でなにを言えばいいのか。
「2人ってどういう関係?」
周くんによって沈黙は破られ、かわりにそんな質問が空気に溶け込む。
「えっと、私たちは……」
「そんなのどーでもいいだろ」
私の言葉を遮るように言い放ったのは花平くんで、その声はいつもより低い。



