もう分かるよね?

あのときカヤちゃんのことはよく知らなかった。

2年で同じクラスになったとき、「あ、この子だ」って思った。

でも花平くんとは他人のふりをしてるみたいだったから、あたしにとっては好都合だった。
そのまま他人のふりをしてもらおうって考えたんだ。

あたしが花平くんの話をしてるとき、カヤちゃんがうまく笑えてないってことにも気付いてたよ。

オリエンテーションのとき、花平くんは赤の他人だって言うカヤちゃんの顔が苦しそうだったことにもね。


でも……自分もその状況を利用してたのに、だんだんカヤちゃんにバカにされてるって思うようになったんだ。

不思議だよね人間って。自分のことは何でも正当化したがる。
あたしがそのいい例だった。