そとは雲一つない晴天。
それなのに私たちの雫はまるで雨のように、床に落ちていく。
抱き合って、ひとつまたひとつと涙を落とすたびに心が洗われていくようだった。
いままで凝り固まっていた何かが、雨に流されていくみたいだった。
「やっぱりあたし、カヤちゃんのこと好きになれないや」
たしかに一度降り出した雨は止むことを知らない。
だけど、雨上がりの空にはうっすらと光が差し込んで。
「ごめんね」
曇っていた心に一筋の明かりを届けてくれた。
こっちゃんは次の日から学校に来なくなって。
そのまま退学した。
クラスメイトに何も告げず、すうちゃんもなにも聞いてないらしく。
気付いたときには出席名簿から名前が消えていて。
こっちゃんは、なんの前触れもなく学校をやめていた。



