不器用オオカミとひみつの同居生活。







──────ぐううぅぅ。

自分のお腹の音にびっくりして目が覚めた。



「お腹すいた……」

「第一声がそれかよ」


すぐ隣に、あきれ顔の花平くんが座っていた。



「ここ、家のベッドじゃないですよね」

「病院」


真っ白なベッドに横たわっている私。

腕からは点滴のチューブが伸びていた。



「……花平くんが連れてきてくれたんですか?」

「そーだけど」


他に誰がいんの?って視線を向けられる。


でも、だって。


花平くんって病院嫌いじゃなかったの?


その印象が強すぎて、どうにも病院と花平くんはミスマッチだった。



「ふふ」

「この状況で笑うその神経疑うわ。
お前、ここだいじょーぶ?」


“ここ”と言って花平くんが指を当てた場所は、自分のこめかみ。

つまり、頭大丈夫か?ってこと。