「ふざけんな」
感情を無理やり押し殺したような、低い声。
「ふざけんな……わかってんだよ、全部」
ハッとすると同時に、花平くんが私の制服を持ちあげた。
「い、やっ……」
さらされる素肌に身をよじって抵抗するけど、強い力で押さえつけられてびくともしなかった。
冷たい手が、お腹に触れる。
花平くんが触ったとこ全部、ガーゼや湿布を貼っていた。
……気付いてたんだ。
「あの女にやられたんだろ」
「あの女?何のことですか?」
声が震えているのはごまかせなくて、
ぎゅっと唇をかみしめた。
「……花平くんが言ってること、よくわからないです」
「泣いてる」
抱き寄せられた。
いつか花平くんにしたみたいに。
今度は私が、花平くんに抱きしめられていた。



