「──────茅森!」
すぐ近くで声が聞こえた。
誰の声?
閉じていた目を開ける。
壁にもたれていたはずの私を抱えていたのは、
「……花平くん」
「こんなとこで何してんだよ…」
なんでここに花平くんがいるの?
入り口のほうを見れば、扉は壊されていた。
「……あとで先生に怒られますよ」
「んなことどーでもいい」
花平くんの手が、額に伸ばされた。
前髪をわけられて、花平くんの目つきが変わった。
「……お前、これ」
自分ではどうなっているのかわからなくて。
でも花平くんの反応では、そこそこの傷なのかもしれない。
「さっき転けちゃって。ほら、最近貧血気味だったから」
「……こんなとこに閉じ込められてんのは」
「警備員さんが気付かずに施錠しちゃったみたいで、はは……というか今何時ですか?スマホ壊れちゃって」
何の反応のなくて、彼を見上げる。
「花平くん?」



