どれくらい経っただろう。
窓もない空間で、体内時計もあてにできない。
こっちゃんが去って、もうずいぶん時間が経った。
近くにあったスマホをつついてみる。
画面が割れてしまっているそれは、黒い画面のままだった。
「っ、いた……」
こっちゃんの投げたスマホは目の上に当たって、どうやら切れているみたいで。
静寂の中で、痛みだけがじんじん音を立てているようだった。
「こほ、こほっ」
追い打ちをかけるように、さっきから咳が出はじめた。
閉ざされた扉は、押しても引いてもダメだった。
でも、助けを呼ぶ気にはどうしてもならなくて。
壁にもたれて、手の中にあるハチミツ色のクマを見つめる。
踏まれたのか顔の部分が汚れていたけど、
指でそれをこすってみても、簡単には取れなかった。



