「それにしても、琴音がそんな積極的になるとはね。よっぽど我慢してたのかな」
たしかに行動に移したのは今回が初めてで。
いままではずっと言葉にしていただけだった。
もともと積極的な性格のこっちゃんは、恋愛でもグイグイいくタイプだったんだ。
「あーあ、すうも行きたかった行きたかった行きたかったー!」
「また今度三人で行こうよ。ね?」
「うん……」
すうちゃんが治ったら、みんなで遊びに行くつもりだった。
どこに行きたいかはすうちゃんに決めてもらうつもりで、私もこっちゃんもすうちゃんが治るのを心待ちにしていた。
「で、何かハプニングはなかったの?
きゃっ、間違って男湯に入っちゃった♡とか。
……え、まじ?」
冗談のつもりだったすうちゃんは、私の顔を見てはっと口を押さえた。
なんで当ててくるかな……
隠しきれるわけがなくて、もう遅いのに両手で顔をおおった。