「そう、なんだ」 ほんとに舌が回らない。 けど、聞きたいことが一つだけあった。 「ねぇ周くん、私のゆかたって……」 自分で着た記憶はなくて、でも今の私はゆかたを着ていたから。 周くんは何かを言おうと口を開いたけど、すぐに手の甲で口元を隠してしまった。 斜め上にある視線。 こころなしか耳が赤くなっているようで。 「ごめん……あのとき周りには俺しかいなかった」