「よかった、とりあえず難は逃れたな」
「う、うん」
心ここに在らずな顔をしていたからか、周くんにどうかしたかと訊ねられた。
「や、あの、さっき私が可愛いって……言われてるって、うそ、だよね?」
私なんかがそんなこと言われてるわけない。
きっと眼中にもないはず、なのに。
「嘘じゃないって、ほんとに」
周くんの目は嘘を言っているようにはみえなかったけど……
「でも私トロいし、地味だし、いいとこなんて一つもない」
「そんなことない」
周くん……?
なんか目の前がぐるぐるしてきた。
そういえば私、ずいぶん前から入ってるよね。
頭もぼーっとしてきて、
周くんの口の動きはわかるのに
何を言っているのかわからなくて。
「茅森ちゃんは──────」
あ、もう無理……落ちる。
ぷつんとテレビが切れるように、私の目の前もそこで真っ暗になった。



