周くんは向こう側に集中してるから、気付いていない。
いっぽう私は恥ずかしさでどうにかなってしまうそうだった。
ち、近い近いっ……!
「あいつら、茅森ちゃん見つけたら絶対収拾つかなくなるから」
「えっと、な、なんで?」
「それは、……っ!」
ようやくこっちに意識を戻した周くん。
振り向いたときに、どういう状況になっているのか気付いたみたいだった。
驚いたように目を見張ったあと、少しだけ距離を置かれた。
「それは……気付いてない?あいつら、茅森ちゃんのこと可愛いって言ってんの」
えっ!?
もうすこしで叫びそうになって、ぎりぎりそれを飲み込んだ。
「もう上がるかぁ~あちぃ~」
そのとき、岩の向こうでそんな声が聞こえてきた。
どうやら出ていったみたいで、私と周くんはほっと息を吐いた。



