私は普通にしていればいいのだ。
あくまでもこっちゃんの付き添い。
花平くんとはただのクラスメイト、
あまり話したことのないクラスメイト。
言い聞かせるように心の中で復唱して、深呼吸。
「花平くんに助けてもらったんだよ、あたし。
あのときはありがとう」
「……あー、あんときの」
どうやら花平くんも思い出せたらしく、こっちゃんはそれだけでいまにも失神しそうになるほど喜んでいた。
「なにかお礼でも……あ、よかったら
…い、一緒に回らない?いいよね、カヤちゃん」
こっちゃんが求めるような目で手を握ってくる。
まだ夏じゃないのに、緊張からかこっちゃんの手は汗でびっしょりだった。
それだけでどれほどの勇気をふりしぼっているのか、すごく伝わってくる。
花平くんからの視線も感じるけど、私は目を合わせられなくて。
「えっと……うん、いいんじゃないかな。花平くんさえよければ、だけど」
言葉を紡ぐのに精一杯で、しどろもどろになってしまう。



