不器用オオカミとひみつの同居生活。



「お菓子食べよー!」

「うん!あ、でも夜食べる分もちゃんと残しとかなきゃね」


おたがいに持ってきたお菓子を交換しあって、
温泉街に着いたらどこに行こうか話し合う。


商業科も家政科も、一応学科にあった場所に行っている。


なぜか普通科だけは何の関係もない温泉街で。


向こうに着いてもこれといった集団行動はせず、それぞれ好きなように行動していいって言われてた。



「でも本当にびっくりしたなぁ」


話に花を咲かせていたら、こっちゃんがちらりと後方を見たから私も同じように視線を向ける。


私もびっくりしたよ。

まさか来るなんて思ってなかったもん。



「花平くんって、こういう行事に興味なさそうだったのに」


本当に。
私も心の中でうんうんとうなずいた。


たぶん、自由行動じゃなかったら来てないと思う。


このオリエンテーションは単位に含まれていて、かつ自由にしていいからきっと適当な場所で寝るんだろう。


先生もそれでいいらしく、むしろ花平くんが来てくれたことに喜んでいた。

なんて学校だ。はたしてそれでいいのだろうか。