「っは、……花平くん?」 息苦しくなって、息を吸い込む。 そして我に返ったとき…… 私たちは玄関に座り込んでいた。 腕のなかでまぶたを閉じる花平くんは、ぴくりとも動かない。 「は、花平くん」 軽く揺さぶってみても反応はなくて。 うそでしょ、嘘でしょ。 冷えていく身体。 動かない指先。 固く閉ざされた瞳に、 ふたたび私が映ることはなかった。 「ねぇ、起きてよ。────花平くん!!」 ・ ・ ・ そして私は高校2年生になった。